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川上未映子「きみは赤ちゃん」を読んだら、我が子をぎゅっと抱きしめたくなった【レビュー】

※本ページはプロモーションが含まれています。

くまです。

先日同じ年に出産した友達からある本をおすすめされました。

育児で疲れた心がとても癒されるエッセイでした。せっかくなので細かいエピソードはネタバレなしでご紹介したいと思います。

川上未映子著「きみは赤ちゃん」を読んだら、我が子をぎゅっと抱きしめたくなった【レビュー】

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川上未映子さん

1976年生まれ。2008年「乳と卵」で第138回芥川賞を受賞。

その他にも「ヘヴン」「マリーの愛の証明」など多数の著書を出されています。

出産・育児エッセイ「きみは赤ちゃん」

「きみは赤ちゃん」はそんな芥川賞作家の川上未映子さんの出産・育児エッセイです。

川上さんは35歳の時に男の子を出産しているのですが、その時の妊活〜1歳の誕生日までが綴られています。

現在娘が生後6ヶ月の私にはどんぴしゃな本でした。

読んで思い出した色んなこと

この本では川上さんの妊活〜息子さん出産〜1歳誕生日までの約2年間が描かれています。

描いてあるのは「川上さんに起こったこと」「川上さんが思ったこと」のはずなのに、自分の気持ちを言語化してもらったような気がして、「うんうん」と頷きながら一気に読み切ってしまいました。

妊活中の不安

私の妊活時期は約半年でした。それだけ?と思われるかもしれないけれど、1ヶ月がとても長く感じたし、頭も体も妊活のことでいっぱいになって神経質になった半年間でした。

不妊治療の可能性は誰にでもあるわけだし、当たり前ですが「子供は欲しいと思っても簡単に出来る訳ではない」ことを身をもって感じたのでした。

妊娠中のこころとからだ

長かった辛かった「つわり」の時期。

妊娠後期もお腹が重くてトイレが近くて辛かった記憶があるのですが、この「つわり」の時期は何かしんどいかって、周りに妊娠を公表できない時期に起こるということ。妊娠を公表した数少ない人は気遣ってくれるものの、結局知らない人の方が多いので「無理して頑張っちゃう人」が多いのではないかと思います。

「からだで起きている以上本人にしか分からない」けど「経験したことがあれば思いやりを持って接することが出来る」と本にもありました。この辛さを経験したからには、同じ状況にある人にこっそり気づいて、こっそりサポート出来る人でありたいなあと思ったのでした。

そしてもう1つがマタニティブルー。

大きな悩みもないのに胸がざわざわして、とにかく気が沈んで、なぜか泣けてきたこの時期。今思うと「大したことないじゃないか」と思うことでも、その時はその時ですごくイライラしていたし、悲しかったのです。

妊娠して、それまで以上に、自分の心との向き合い方を考えさせられました。

妊娠・出産のお金と痛み

段々とメジャーにはなってきたが、日本ではまだ無痛分娩という選択肢は気軽に行えない状況にあると思います。

一つは痛み信仰。妊娠を告げると、産んだことのない人まで「自然なの?無痛なの?」と悪気なく聞かれることが多かったです。私も謎の「一回は経験しておこう」というチャレンジ精神を発揮してしまい、自然分娩を選びました。

もう一つはお金。出産の痛みを取り除くためにはそこそこお金がかかるのです。私も約10万円の無痛分娩費用をケチって、自然分娩を選びました。(でも結果、痛すぎたので、次回があるとしたら無痛分娩したい…)そもそも自然分娩でも結構持ち出しが多いと思います!

この辺りのハードルがもっと下がって「出産って痛くない」「お金もかからない」となれば、少しは出生率も上がる気がするのですが、だからと言ってすぐに解決できる問題でもなく、難しいですね。

妊娠・出産とキャリアへの不安

川上さんは小説家ということもあり、産後すぐに仕事復帰されたようです。早い仕事復帰はそれはそれで壮絶な感じでした。

私は会社員ということもあり、初めての出産・育児ということもあり、今回は約1年半の育休を取る予定です。

現在、毎日娘の成長を見ることができて幸せな毎日ですが、その一方で「キャリアがピタッと約2年間(産休から含め)止まっている」ことへのモヤモヤが日に日に増しています。

戻る頃には同期や、もしかしたら後輩にも階級が抜かされているかもしれません。自分は出世欲がそれほど強くはないと思っていたのですが、元々やりたかった業種につけていることもあるので、「やりたいことをやって評価され、稼げている」ことで心が満たされていたのかもしれません。

こればかりは「もっと早く復帰する」か「2年間の遅れは戻ってから取り戻す気持ちで今は楽しむ」しか選択肢がないですよね…という最近のモヤモヤについても考えさせられました。

産んだら芽生えた母性

出産まで紆余曲折あった川上さんですが、それでも「自分がこの子に会うために生まれてきたんじゃないか」と思うほど、息子さんのことが可愛くて仕方がなくなります。

この章を読むと、娘が産まれて体も心もしんどいけれど、ふとした瞬間に「かわいい」「いとしい」「この子のためなら何でも出来る」と思った時のことを思い出しました。思わず新生児期の娘の写真を見返して、うるっときてしまうほど。

育児に疲れている時にこの章を読むと、子供が産まれた時のあの何とも言えない気持ちを思い出せるので、おすすめです。

産後のこころとからだ

いくら「かわいい」「いとしい」とはいえ、その一方でこころとからだはボロボロです。

「赤ちゃんを産んでも、その前と同じくらい頑張っていなければならない」プレッシャーは自分にもあったなと思い出しました。調子が悪い時には怒りの矛先が夫に向かうことも。(頭の中で向けているだけで、実際は自分の中で消化。)

「夫婦だけど、子供が出来ても他人のまま(むしろさらに他人になる)」と川上さんは書いていましたが、これは真理かもしれません。私も出産を通して「夫は一番近い他人」だなと思えるようになりました。もちろんこれはいい意味で、他人だから気持ちを伝えないと伝わらないし、そもそも自分以外はみんな他人なんだから結局夫は一番近い存在なのです。夫が一番近い他人でいてくれるならこんなに心強いことはないと思います。

これから迎えること

はじめての病気

娘ちゃんも生後6ヶ月を過ぎ、母乳免疫が切れてくる頃。離乳食も始まって、アレルギーにも神経を張り巡らせている時期です。いつか来るであろうはじめての病気。パニックになるかもしれないけれど、それでも最低限の対応は出来るように、今から心の準備をしようと思ったのでした。

仕事復帰と保育園

仕事復帰がしたい一方、小さいうちから保育園に預けることに対する申し訳なさもあって。というのも、私が小さい頃母は専業主婦として家でずっと面倒を見てくれていたから。

でもこの本を読んで、保育園は保育園で大切な成長の場所。母親も預けて仕事をすることで生活にメリハリが出来るし、頑張ろうと思える。という気持ちになれそうです。

保育園に預ける預けない、両方にメリットデメリットがあると思いますが、私は預けることのメリットを見るようにして、一日中一緒にいられる来年3月までを大事にしようと決めたのでした。

卒乳

いつか来るであろう卒乳。離乳食が始まった時から前ほど量を飲まない時も出てきて、卒乳のことが頭をかすめるようになりました。

娘ちゃんは夜間も1回の授乳で済むし、お腹が空いた以外で授乳を求めて泣くこともないので、卒乳は早そう…

今のうちに1回1回の授乳を大切に過ごしておこうと思ったのでした。

1歳

このエッセイは息子さんの1歳の誕生日で終わります。

誕生日は毎年特別な日だけれど、1歳の誕生日が一番感慨深いんじゃないかな、と今から想像してしまいます。

あんなにほにゃほにゃで今にも壊れてしまいそうな新生児期を超えて、座ってハイハイして、立って歩いて。人って生まれてから1年で本当に人間らしくなりますよね。

1年無事にみんなが生きることができますように、それは本当にありがたくてすごいことだということを今から想像して泣きそうになっちゃうのでした。

 

というわけで、妊娠・出産・育児のことを思い出して多少感傷的になってしまったところもありますが、要は「子供がかわいい!生まれてきてくれてありがとう!」という気持ちを思い出させてくれるとても良いエッセイなので、ぜひ読んでみてください。笑えるエピソードもたくさんあります。

男性の方も、個人差はあると思うけれど、女性はこんなことを感じながら妊娠・出産を乗り越えるのだということを感じていただけるのではないかと思います。

そろそろ娘ちゃんがお昼寝から起きます。起きたら、思いっきり抱きしめてあげようと思います!

 

本日もお読みいただき、ありがとうございました。

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